2017年12月31日

2017年の鉄道を振り返ります

2018年まであと少しになりました。そこで今回は2017年の鉄道の動きを振り返ってみます。ただし私が特に気になったものを中心に抜粋したうえで紹介させていただくことをご理解下さい。

【1月】
★小田急電鉄1000形の元1052F+元1252Fを改造した1096Fが登場★
一昨年には小田急電鉄1000形の元1056Fと元1256Fをリニューアルして10両固定編成化改造した1095Fが登場して大きな話題となりましたが、昨年はその続番で元1052Fと元1252Fをリニューアルして10両固定編成化改造した1096Fが登場しました。私は幸運にも運用前での試運転を撮影し、運用開始2日目で同編成に乗ることができました。そのほかには大宮総合車両センターでワンマン運転対応改造工事を受けた4000形4060Fの出場、仕様変更がなされた4000形4066F(新製出場は2016年12月20日)やロマンスカー『EXE』を日本車両製造豊川製作所でリニューアルした『EXEα』30000形30051F+30251Fが登場したりと、話題が尽きませんでした。

★東京地下鉄01系01-130Fが『くまモン』ラッピングを施工★
東京地下鉄では数少なくなった銀座線の01系に注目が集まりました。01-122Fと共に残っていた01-130Fに『くまモン』のラッピングを施して運転されました。なおこの編成は最後まで残った01系であり、3月10日に営業運転を終了しました。なお動態保存されている01-101Fの3両と、熊本電鉄に譲渡された01-135F・01-136F(いずれも両先頭車のみ)以外は解体処分となってしまいました。

【2月】
★東京地下鉄03系に廃車が発生★
東京地下鉄千住検車区に13000系が配置・増備が進む一方で、13000系の運用開始前に03系に廃車が発生しました。最初に廃車となったのは5扉車組み込みの03-114Fで、現在も後継車両の13000系との世代交代が続いています。しかし03-140Fおよび03-141Fは両先頭車を除く中間車6両が解体されており、何らかの転用があるのかどうか注目されています。

★箱根登山鉄道モハ2形110号車が就役60周年の節目に引退★
2月12日には箱根登山鉄道モハ2形110号車が就役60周年の節目にラストランを行い、60年間走り続けた箱根路に別れを告げました。同車両はラストラン後も入生田車庫内で一時的に留置され、3000・3100形『ALLEGRA』が登場した際に並べて展示されました。私は親会社の小田急電鉄『EXEα』30000形30051F+30251Fの試乗会を撮影したあとにその足のまま駆けつけたので到着時しか出迎えできませんでしたが、最後の雄姿をしっかり目に焼きつけました。


★東武鉄道70000系が登場★
東京地下鉄13000系とほぼ共通設計で製造された東武鉄道70000系71701Fが初めて近畿車輛を出場し、南栗橋車両管区まで甲種輸送されました。この系列では車内自動放送の日本語音声が『TJライナー』と同じ久野知美氏に変更されています(ただし英語音声は変更無し)。今年度は11月に増備が再開され、71704Fから製造されています。
それ以外では東日本旅客鉄道583系秋アキN-1・N-2編成が引退したほか、209系2200番台横ナハ53編成(現千マリJ1編成)に代わって、E233系0番台元八トタ青670編成を転用改造した8500番台横ナハN36編成(写真)が運用を開始したり、次世代車両の出場・最古参車両の引退が相次いだ月でもありました。

【3月】
★小田急電鉄ロマンスカー『EXEα』30000形30051F+30251Fがデビュー
3月1日にはロマンスカー『EXEα』30000形30051F+30251Fが下り『はこね41号』(0041レ:平日N46N66運用)から営業運転を開始しました。制御装置が東芝製のIGBT素子から三菱電機製のSiC素子に変更されたほか、3号車が付随車(サハ30451)から電動車(デハ30401)に変更されたりと注目が集まりました。2月12日には片道での試乗会を実施したりもしました。

★西武鉄道2000系2007Fが『西武鉄道×台湾鉄路管理局』ラッピング車に★
3月18日からは西武鉄道が台湾鉄路管理局との姉妹鉄道協定を締結して2周年を迎えたことを記念して、南入曽車両基地所属の2000系2007F(種別行先方向幕車両)に『西武鉄道×台湾鉄路管理局』のラッピングを施して同日の2662レから運転を開始しました。このラッピング電車は当面のあいだ運転されますが、ラッピングが解除される頃には廃車となってしまう可能性もあります。平日は基本的に各駅停車での単独運用のほか、準急以上の優等種別で同系列2両編成と連結して運用されることが多く、2007Fと同じく種別行先方向幕車両の2403Fと組まれることもあります。また新宿線系統では20000系20104Fの『新宿プリンスホテル』と『西武新宿ペペ』40周年のヘッドマーク車の運転が現在も継続されています。

★西武鉄道40000系の『S-TRAIN』デビュー★
2017年3月25日からは川崎重工業兵庫工場で製造された40000系電車が有料座席指定列車の『S-TRAIN』(平日は豊洲[Y-22]~所沢[SI-17, SS-22]、土曜休日は元町・中華街[MM06]~西武秩父[SI-36])として営業運転を開始。当初は2編成の在籍でしたが、現在では4編成が在籍。一部は9000系9106Fを置き換えたほか、平日には『S-TRAIN102号』の折り返しで豊洲発所沢行き各駅停車のほか一部池袋線の地上運用にも充当されます。来年3月には新宿線の『拝島ライナー』としてもデビューする予定です。
それ以外には鉄道各社のダイヤ改正や『TRAIN SUITE 四季島』といった豪華寝台列車のデビューなど話題がありました。旧長野新幹線時代から活躍を続けてきたE2系0番台(長ナシ)が営業運転を終了して現役を引退し、北陸新幹線はE7系(長ナシ)・W7系(金ハク)に統一、烏山線のキハ40系が運用を終了し、EV-E301系(宮ヤマ)に統一、総武快速線・内房線の『特別快速』が廃止されるなどの話題が上がりました。

【4月】
★東京急行電鉄田園都市線の5000系6扉車が消滅★
4月には東京急行電鉄5000系に最大で3両連結されていた6扉車が消滅しました。最後まで6扉車組み込みで残っていたのは5105Fで『6 DOORS』のステッカーも見納めとなってしまいました。現時点で6扉車が残っているのは東日本旅客鉄道中央・総武線のE231系0番台ですが、山手線から500番台の転入で次々と数を減らしており、6扉車自体が消滅する可能性が高くなっています。

★小田急電鉄2000形の3色LED式の種別行先案内表示器が消滅★
4月には就役当初から保っていた小田急電鉄2000形の3色LED式の種別行先案内表示器が消滅しました。最後にフルカラーLED式に交換されたのは2058Fで、現在でもロイヤルブルー帯を保持している2059Fはその前に交換されました。一時期は2054Fのクハ2454の前面部の表示器が3色LED式に戻っていた時期も私にとってはとても懐かしく思えます。

★東武鉄道634型(6050系)の臨時特急『スカイツリートレイン』が運転を終了★
4月には21日にダイヤ改正を前に、東武鉄道6050系の元6177F・元6178Fを改造した634-11F+634-21Fによる臨時特急『スカイツリートレイン』の運転を終了したことも話題でした。21日のダイヤ改正では500系『Revaty(リバティ)』が営業運転を開始したことにより、この634型を含む6050系に運用の変化が生じ、『快速』『区間快速』などでの定期運用および南栗橋(TN-03)以南での運用が消滅して一部編成は廃車解体処分となりました(詳細は後述)。なお634型はここ最近では団体専用列車での登板が多くなっています。
このほかにはE235系量産車となる東トウ02編成(クハE235-2以下11両)が初めて登場し、現在では12編成(132両)が在籍しているほか、東トウ04編成・東トウ05編成ではE231系500番台の改造が追いついていないためか、10号車が改造車のサハE235形4600番台ではなく新製車両のサハE235形500番台(501・502)となっています。

【5月】
★東武鉄道6050系に廃車が発生★
5月頃からは運用範囲が縮小された東武鉄道6050系に初めての廃車が発生しました。最初に廃車となったのは6158Fで、そのあとは6161F・6168F・6171Fの2両4編成(8両)が廃車となっています(ただし写真の編成は廃車になっていませんのでご注意)。

★東日本旅客鉄道E233系3000番台付属編成が増備される★
5月にはE233系3000番台の付属編成2本(10両)が総合車両製作所横浜事業所で落成しました。今回の増備車は国府津車両センター(横コツ)に配置され、クハE233-3538以下5両から成る横コツE-73編成、クハE233-3539以下5両から成る横コツE-74編成が登場しました。両編成では車内照明が初めてLED化されているほか、ドアチャイム鳴動のタイミングが変更されています。

【6月】
★東日本旅客鉄道E231系0番台に新展開★
東日本旅客鉄道E235系量産車の増備が本格化したこの月にはE231系500番台の転属と並行してE231系0番台(元八ミツB22編成の7両を除く)にも動きが出ました。離脱したのはクハE231-5以下10両から成る元八ミツB5編成で、1両(サハE231-14)は武蔵野線向けとして元八ミツB22編成7両に追加される中間車として組み込まれ、8両編成を組成、のちの千ケヨMU2編成となりました(詳細は後述)。それ以外の9両の動きが注目されていましたが、4両(元クハE231-5、元モハE231-10、元モハE230-10、元クハE230-5)を転用し、半自動ドアスイッチ取付改造工事を行ったうえで3000番台に改番されました(詳細は後述)。

【7月】
★小田急電鉄ロマンスカーの現役車種『SE(初代3000形)就役60周年』ヘッドマーク★
7月にはロマンスカー『SE』初代3000形が就役してから今年で60周年(『還暦』)を迎えたことを記念して、ロマンスカーの現役全車種(ただし『EXE/EXEα』『MSE』は非貫通先頭車のみ)に『SE就役60周年』ヘッドマークを掲出して運転されました。ただし最古参の『LSE』7000形にはヘッドマークを掲出できるスペースがないため、3号車・4号車・8号車・9号車にロゴマークとして掲出されました。私がこのヘッドマーク車を営業列車で最初に撮影したのはまさかの『EXEα』でした。

★東武鉄道20000系に廃車が発生★
7月には東武鉄道70000系の運用開始に伴い、20000系列に廃車が発生しました。最初に廃車となったのは21809Fと21813Fで、21809Fは長期間運用を離脱していたため、21809Fを2分割して21813Fの一部車両とともに廃車回送されていたようです。なお一部編成は中間車を廃車としたうえで津覇車輛に入場したものもあり、動向が注目されています。

★東京急行電鉄田園都市線で『時差Bizライナー』を運転★
7月には11日から21日までのあいだ、時差通勤を目的に田園都市線と乗り入れ先の東京地下鉄半蔵門線で長津田検車区所属の5000系5108Fを使用して臨時特急『時差Bizライナー』を運転しました。一方の東京地下鉄東西線の九段下(T-07)~西船橋(T-23)間でも15000系を使用して『時差Bizトレイン』として運転されました。

【8月】
★相模鉄道20000系が登場★
8月にはかしわ台車両センターに配置される20000系20101Fが日立製作所笠戸事業所を新製出場した話題がありました。このときの牽引機はEF66形30号機が担当し、最後尾の先頭車クハ20001にはマスコットキャラクターの『そうにゃん』のぬいぐるみが乗せられ、そうにゃんが乗車していると思わせるような演出もありました。なお営業運転開始の時期は2017年12月の予定でしたが2018年2月11日に延期となりました。

★『TRAIN SUITE 四季島』が初めて人身事故に遭う★
8月には『E001-1』~『E001-10』から成る豪華寝台列車『TRAIN SUITE 四季島』が磐越西線の五泉~北五泉間で初めて人身事故に巻き込まれてしまいました。同車両が人身事故当該車両となったのは初めててびっくりしました。

★東京急行電鉄6000系中間車が増備される★
東京急行電鉄大井町線では急行列車を6両編成から7両編成に増強するため、総合車両製作所横浜事業所から6000系のパンタグラフ付きのデハ6300形(6両:6301~6306)が落成しました。同系列の大井町(OM-01)寄りから3両目のデハ6200形と元サハ6300形(現在のサハ6400形)のあいだに組み込まれています。なお車内LCD旅客案内表示器は17インチワイドの2画面ではなく、従来の15インチで5000系6扉車の廃車発生品から転用されています

【9月】
★東京急行電鉄東横線開業90周年★
9月には東京急行電鉄東横線が開業90周年を迎えたことを記念し、元田園都市線の5000系0番台5122Fに『青ガエル』の愛称で親しまれた緑色のラッピングを施し、約1年間の予定で運用に入っています。『青ガエル』の当該が生え抜きの5151F~5154F・5156F~5177Fではなく5122Fを選定したことに少し驚いています。

★小田急電鉄3000形3651Fの屋根に炎が燃え移る★
9月には小田急電鉄小田原線の線路脇に立つボクシングジムの火災で大幅なダイヤ乱れが発生した事象。このときに3000形3651Fの7号車デハ3601の屋根に延焼するという惨事が起こりました。同編成は運用を離脱して現在でも喜多見検車区で留置が続いています。この事件から予定されていた3000形3665F(のちの3081F)の10両固定編成化を延期するなど影響が出ました。

★京王電鉄5000系など新型車両が続々と登場★
9月には新型車両なども続々と登場。京王電鉄では2018年春のダイヤ改正時から運用を開始する有料座席指定列車に使用する2代目5000系5731F~5735F、東日本旅客鉄道では武蔵野線向けにE231系0番台元八ミツB22編成の7両と元八ミツB5編成のサハE231-14から成る千ケヨMU2編成(そのあとに3000番台を名乗る川越線・八高線向けも登場)、房総エリアでは209系2200番台千マリJ1編成(元横ナハ53編成)の『B.B.BASE』が登場。なお京浜急行電鉄では車体更新と機器更新を実施した新1000形1001編成が出場したのもこの月でした。

これ以外では小田急電鉄4000形(2代目)が就役10周年、東京地下鉄16000系の増備終了など車両の動きが活発化した月でもありました。

【10月】
★東京都交通局浅草線新型車両5500形が登場★
10月には東京都交通局浅草線向けの新型車両、5500形5501Fが落成しました。先頭車電動車でハイフン以下3と6の車両が付随車になっているものと思われます。12月9日に馬込車両検修場の一般公開で初めて展示され、注目を集めました。順次5300形と同数の27編成が導入されるものと思われます。

★京王電鉄2代目5000系導入で7000系に新たな動きが★
10月には2代目の京王電鉄5000系が導入されたことに伴い、8両固定編成となっていた7000系に動きが発生。7708F・7709Fは中間付随車2両を抜いて6両固定編成に変更、中間付随車は廃車となり、7706Fは編成単位で廃車となりました。7000系唯一の8両固定編成で残る7707Fに、何らかの動きはあるのでしょうか。
それ以外では西武鉄道多摩川線開業100周年、横浜高速鉄道Y500系Y516Fの廃車解体処分、東日本旅客鉄道常磐線の上野東京ライン増発や東北本線黒磯~新白河間の運用車両の変更などがありました。

【11月】
★西武鉄道9000系9106Fが廃車に★
11月には40000系の増備に伴い、最初にエコマークを撤去した9000系9106Fが廃車となりました。クハ9106とクハ9006は横瀬車両基地一般公開で寄せ書き車両として使用されました。9000系で最後まで残りそうなのは9103F(『RED LUCLY TRAIN』)・9108F(2代目『L-train』)あたりと思われますが、9000系の動きには注意が必要かもしれません。

★東京地下鉄銀座線が開業90周年を迎える★
11月には東京地下鉄銀座線が開業90周年を迎えました。それを記念して1000系全編成に銀座線開業90周年のヘッドマークを掲出して運転されました。特別仕様車の1139F・1140Fに開業当時の東京地下鐵道社章が掲出されているほか、12月10日には特別仕様車が中野検車区の一般公開でアルゼンチンから帰還した500形、02系02-102F、動態保存車両の01系01-101Fとともに展示されました。

★東京急行電鉄田園都市線向け2020系が登場★
11月には東京急行電鉄田園都市線向けの2020系2121Fが総合車両製作所横浜事業所で落成。10両すべてが『sustina』(サスティナ)仕様となっており、クハ2121+デハ2221+デハ2321+サハ2421+サハ2521+デハ2621+サハ2721+デハ2821+デハ2921+クハ2021となっています。12月25日からは日中時間帯での試運転を開始し、27日には試運転で撮ることができました。
それ以外では東京急行電鉄池上線・多摩川線向けの7000系が約6年ぶりに増備されました。落成したのは7108F・7109Fで車内LCD旅客案内表示器が17インチワイドの2画面に変更され、前照灯と車内照明がLED化されているほか、一部仕様変更がなされているようです。

【12月】
★相模鉄道9000系リニューアル車が過半数(4編成)に★
12月には相模鉄道9000系のリニューアル車4編成目が登場。該当は9704Fで、2代目塗装の編成を逆転しました。ちなみに特徴的な状態で残る編成は種別行先案内表示器が幕式の9701F、車番の書体が唯一異なる9707Fとなっています。9706Fの記録も必要ですが・・・。

★小田急電鉄ロマンスカー『GSE』70000形が登場★
12月初旬にはロマンスカー『GSE』70000形70051Fが登場。クハ70051+デハ70001+デハ70101+サハ70151+デハ70201+デハ70301+クハ70351と組成されています。2018年3月17日のダイヤ改正時から営業運転を開始し、ロマンスカー『VSE』50000形や最古参のロマンスカー『LSE』7000形とともに新宿(OH01)~小田原(OH47)間途中無停車の『スーパーはこね』にも充当される予定です。

★東日本旅客鉄道E353系が営業運転を開始★
12月には東日本旅客鉄道中央本線特急向けのE353系が23日から営業運転を開始。当面は『スーパーあずさ』のみですが、2018年3月のダイヤ改正で『スーパーあずさ』の全列車がE353系になる見通しで、落成から2年以上が経過した量産先行車の長モトS201編成+長モトS101編成は量産車に準じた改造を行った後に営業運転に投入されるようです。
それ以外では西武鉄道9000系9103Fが『RED LUCKY TRAIN』塗装のまま、エコマークを撤去して運用復帰したほか、小田急電鉄3000形3665Fを改造した3081Fとロマンスカー『EXEα』30000形30052F+30252Fが営業運転を開始しました。30052F+30252Fはいまだに営業運転では撮っていませんが、初電前後の試運転では何度か見かけて撮影もしました

本年も当ブログをご覧いただきましてありがとうございました。来年もどのような動きがあるか注目ですね。よいお年をお迎えください。

2017年12月29日

東日本旅客鉄道E231系1000番台小山初期編成の機器更新工事も大詰めに

2017年12月現在、東日本旅客鉄道東海道線・宇都宮線・高崎線・上野東京ライン・湘南新宿ラインで活躍するE231系1000番台の小山車両センター所属の初期編成ですが、中間電動車に搭載されている日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ制御の機器更新工事が大詰めを迎えようとしています。
▲奇しくも機器未更新の状態(『墜落インバータ』)で残っているE231系1000番台初期基本編成の宮ヤマU522編成(クハE231-6022以下10両:写真)と宮ヤマU525編成(クハE231-6025以下10両)。基本編成はこの2編成のみとなってしまった。

2006年以降に小山車両センター向けに増備された編成を除き、小山車両センター所属のE231系1000番台初期製造編成の機器更新工事が終盤を迎え、現時点で機器未更新で残っている編成は2017年12月29日時点で、宮ヤマU2編成(クハE231-8001以下5両)、宮ヤマU12編成(クハE231-8006以下5両)、宮ヤマU14編成(クハE231-8007以下5両)、宮ヤマU522編成(クハE231-6022以下10両)、宮ヤマU525編成(クハE231-6025以下10両)のみとなっています。小山初期編成で未更新編成同士の15両編成も希少な光景となってきました。ただし国府津車両センター所属のE231系1000番台は全編成が現在でも機器未更新であり、『墜落インバータ』を聞くことができます。この『墜落インバータ』は今の時期が録音のチャンスですので、かなり難しいとは思いますが小山初期編成を中心に狙ってみるのがいいでしょう。

2017年12月28日

東日本旅客鉄道E351系量産先行車と量産車の2編成が廃車に

2017年12月23日に東日本旅客鉄道E353系の量産車(長モト)が営業運転を開始したことに伴い、置き換えられたE351系の量産先行車と量産車の1編成ずつ、2編成が所属先の松本車両センターから自走で長野総合車両センターに回送され廃車となりました。
▲E351系は上り方の付属編成4両と下り方の基本編成8両で構成されているため、団体専用列車へ転用されるのではと噂されていたが、5本のうち2本(長モトS22編成+長モトS2編成[写真1枚目:八王子〈JC-22〉]、長モトS25編成+長モトS5編成[写真2枚目:東小金井〈JC-14〉])がなんと帰らぬ旅へ出てしまった・・・。

今回廃車となったのは量産先行車(1000番台:日立製作所製GTO素子VVVFインバータ制御)の長モトS22編成+長モトS2編成、量産車(0番台:日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ制御)の長モトS25編成+長モトS5編成で、いずれも解体処分されてしまうものと思われます。前者は1993年に登場してから約24年であり、制御装置が数少ない日立製作所製のGTO素子ということで、残りは長モトS21編成+長モトS1編成のみとなっています。後者は1995年に登場してから約22年であり、制御装置が日立製作所製IGBT素子ということで、残りは2編成(長モトS23編成+長モトS3編成、長モトS24編成+長モトS4編成)となっています。いずれも録音しておきたい車両なのですが、なかなか自分に乗車のチャンスがなく、写真での記録しかできませんでした。現在は3本で2運用(1本は予備か)をやりくりしているという感じでしょうか。

【E351系定期運用】
※駅名表示:東・・・東京(JC-01)、宿・・・新宿(JC-05)、八・・・八王子(JC-22)、松・・・松本
※列  車  名:中ラ・・・中央ライナー、スあ・・・『スーパーあずさ』
※列車番号:    は平日のみ運転


東0706←八0616 中ラ 3572M
宿0800→松1038 スあ 5M
宿1333←松1108 スあ 14M
宿1400→松1626 スあ 19M ※最速達列車
宿1935←松1658 スあ 28M
宿2000→松2238 スあ 33M


東1003←松0800 スあ 5006M
宿1200→松1435 スあ 15M
宿2106←松1835 スあ 32M
東2230→八2321 中ラ 3577M

2017年12月27日

東京急行電鉄田園都市線で2020系2121Fの試運転に出会う(6020系甲種輸送も)

27日は午前中と午後に小田急電鉄を撮っていた私ですが、その間は東京急行電鉄田園都市線へ向かいました。東日本旅客鉄道横浜線に乗車中に長津田検車区に2020系2121Fの姿を確認したので、まだ試運転は行っていなかったようです。

私は久しぶりに田園都市線をプチ乗り鉄。往路の上りは東武鉄道50000・50050系51056Fの082-102レ(平日82T運用:元『クレヨンしんちゃん』ラッピング車の風間くんバージョン)に、復路の下りは5000系5113Fの011-101レ(平日11K運用)に乗り、長津田~青葉台(DT-20)を往復しました(青葉台では駅周辺で昼食を調達しました)。

このとき復路で乗った5000系5113FはROM更新されており、以下の内容で変更がありました。

◎田園都市線内各駅停車の表示方法
5000系による中央林間(DT-27)行きの場合、『【空白】 中央林間』から『各停 中央林間』に変更され、初めて『各停』の表示を開始

◎車内LCD旅客案内表示器の表示方法(写真は田奈[DT-21]の場合)
同系列の場合、ROM更新前は次駅表示が日本語(漢字)→日本語(ひらがな)→英語(例:『つぎは  DT-27  中央林間』→『つぎは  DT-27  ちゅうおうりんかん』→『Next  DT-27  Chuo-rinkan』)でしたが、ROM更新後は日本語(漢字)→英語→日本語(ひらがな)→中国語→韓国語の順番に変更(駅に停車中も同様)

これ以外にも、駅ナンバリングが導入されている路線のアルファベット記号(長津田の場合は横浜高速鉄道こどもの国線の『KD』のほかに東日本旅客鉄道横浜線の『JH』)が入ったほか、自動放送の言い回しが少し変わりました(駅名を読み上げるのは駅によっては1回のみ、駅ナンバリングや駅によっては旅客用扉の開く方向をアナウンスするなど)。

車両によってROM更新パターンは様々ですが、8500系の一部でも緑色で『各停』表示を開始した編成が出始めているほか、東京地下鉄車両では半蔵門線内の自動放送更新(英語放送はクリステル・チアリ氏でない人物に変更)、東武鉄道車両では旧・松原団地(現・獨協大学前[草加松原][TS-17])の自動放送対応などが行われていたようです。なお037-101レ(平日37K運用)で偶然にも目撃した2000系2001FはROM未更新でした。

すると長津田検車区から2020系2121Fが出庫し、『96K』『試運転』表示で長津田検車区から5番ホーム方面に通ずる線路に移動し停車したことを確認、そして上りホームへ。

東武鉄道50000・50050系51058F。054-112レ(平日54T運用)。元『クレヨンしんちゃん』ラッピング車のボーちゃんバージョンだった編成に出会いました。

5000系5115F。012-101レ(平日12K運用)。ちょうど下りでROM更新済みの5000系を激写。

2020系2121F。試96K運用。なんと25日クリスマス当日から行っている新型車両2020系の試運転を撮ることができました。貫通扉の列車番号表示器には『96K』、行先案内表示器には『試運転』『TRIAL RUN』とあります。
ちょうど5000系5115Fと並んだ2020系2121F。今後はこの両系列が田園都市線を担ってくれることでしょう。もしかして2020系は新製当初から『各停』表示に対応していたりして・・・。

貫通扉に設けられた列車番号表示器。『96K』を表示していました。今回は予想よりもスジが早まり私が確認した限りでは11時30分頃に入線したかと思います。


フルカラーLED式の種別行先案内表示器。本来は種別と行先を表示するのですが、今回は『試運転』『TRIAL RUN』の交互表示でした。

停車時間が約2分ほどと短いため、側面のフルカラーLED式種別行先案内表示器や車内LCD旅客案内表示器など撮影はできなかったのですが、車内LCD旅客案内表示器は稼働しておらず、旅客用扉からケーブルが伸びていましたので、何らかのデータ収集を行った可能性があります。発車時の加速音を動画に収めましたが、音から同系列の制御装置は三菱電機製のSiC素子VVVFインバータが採用されているようです。
この2020系は今後も増備される可能性があります。現段階では3編成のみの導入で2000系を置き換えそうな予感がしますが、主力車両の8500系を置き換える可能性もありますね。この編成は田園都市線内基準で渋谷(DT-01)寄りからクハ2121+デハ2221+デハ2321+サハ2421+サハ2521+デハ2621+サハ2721+デハ2821+デハ2921+クハ2021となっており、4号車のサハ2421の転落防止幌部分には東京地下鉄半蔵門線に乗り入れるための誘導無線装置が、3号車のデハ2321と9号車のデハ2921にパンタグラフ2基、6号車のデハ2621にパンタグラフ1基がそれぞれ設置されているほか、制御車と付随車に非常用ハシゴが備えられています。

なおこの試運転列車は11時32分頃にはあざみ野(DT-16)方面へ走り去っていきました。2020系の試運転を見れるとは思ってもいませんでした。そして場所は変わり東日本旅客鉄道横浜線の淵野辺(DT-25)へ。
DE10形1749号機+6020系6121F(4両)。今回のメインのお目当てはこれです。大井町線向けに田園都市線の『2020系(2121F)』をベースにした『6020系(6121F)』が26日に総合車両製作所横浜事業所を出場し輸送されたということで、27日はそのうちの4両の長津田検車区への甲種輸送を撮りました。しかし冬場であるため駅周辺のビルの影が落ちていてこんな写真に・・・。
後追いではファンをかわしきれず、こんな感じしか撮れませんでした。先頭車が『6721』とあったので、輸送された4両は『クハ6721』『デハ6621』『デハ6521』『サハ6421』と思われます。パンタグラフは6号車に2基搭載を確認しました。大井町線向けの6020系は大井町(OM-01)寄りからクハ6121+デハ6261+デハ6321+サハ6421+デハ6521+デハ6621+クハ6721とみられ、29日には残った3両(クハ6121+デハ6221+デハ6321)が輸送されるものと思われます。

注目の新型車両、田園都市線向け『2020系』と大井町線向け『6020系』を一気に見られたのは本当にラッキーでした。後者の甲種輸送は2020系の試運転を撮った後の直行なので、練習電が2本くらいしかありませんでしたが無事に撮れてなによりです。